ローパーのイベント特別編とは?(後編 その4)
“大和撫子”はユリと名乗った。
よっしゃ! 俺だって学校じゃナイスガイって言われてるんだ、きめる時はきめてやるぜ。
「カクテル1杯くらいつきあってくんない。それとも迷惑?」
ユリは左右に首を振ったが声は出さない。
「カウンターでいいよな、座りにくくない?」
背の小さな子だとどんな服でも座りにくいのだがユリは170cm近くあるのでスルッと座った。
「卓也、ミモザとカンパリをソーダで割ってくれ」
ああ〜こういう時に『ロック』なんで格好よく決めてみたいぜ!
卓也は2人にグラスを出すとそっと離れていった。
「さっきシャンパンうまそうに飲んでたから好きなのかと思って・・・。オレンジジュースをシャンパンで割ったヤツなんだ」
二葉とユリはカウンターの端で時折話しながら飲みつづけた。
とはいっても二葉が一方的に話し一言返事が帰ってくるくらいだが・・・。
二葉の気分は上々。意外に声低いんだなぁ〜でも色っぽいアルトで耳にここちいいな。もっとしゃべってくれないかな?
グラスがカラになった頃、2人の前には赤のカクテルが二つ。二葉の前には赤ワインのような色合いのカクテルでユリの前にはカクテルグラスのふちに白い砂糖をまぶした紅い色のカクテル。
卓也? っと思いカウンターを見ると一樹がウインクをしてきた。どうやらおごってくれるらしい。
紅い方のカクテルはなんだっけ? っと考えているとユリがグラスを手に取ると一気に流し込んだ!!!
「だっ大丈夫か!?」
俺の声など無視して席から立ってしまったが足がふらついていたのでとっさに肩に手を置き支えてしまった。
腕にすっぽり入るので抱きついた形になってしまったのであやまろうとした矢先、平手が飛んできた。
痛っ! 見かけによらず力強いんだね(涙)ユリは怒りの視線を二葉に向けた。
「二葉の浮気者! もう知らない。」
えっ・・・えぇぇぇぇぇ〜! その声は忍そっくりで、俺をにらんだ瞳は忍のものだった。
ななななっなにが起こったんだ?どうしてこうなんだよ! つうか忍は家で寝ているって一樹が・・・一樹〜!!!!!?????