ローパーのイベント特別編とは?(中編)
俺と一樹さんが食後のカクテルを飲んでいると開店前のローパーに客人がやってきた。腰まで届く長いプラチナブロンドのゴージャスな美人が4人の女性を引き連れている。ここの常連であり一樹にも卓也にも信用されているモデルのエマだった。
「はぁーい卓也、あいかわらずイイ男ね。頼まれてたもの持ってきたわよ」
「ああ・・・」
卓也さんはなぜか一樹さんの方を見てため息をついた。
「ありがとうエマ。お礼は何がいいかな?」
「ふふっ・・・・・みんなのビール代でいいわよ」
目の前では俺にはわからない会話が繰り広げられているがこの2人が一緒にいるだけで目がはなせない。
細い首、なめらかな指、男にしては線は細いけど脆弱なかんじはしない。髪をかき上げる時のしぐさがとっても格好よくてきれいな一樹と、プラチナの腰までなびくストレートの髪にバランスのいいほっそりとした足、歩くだけで人を虜にさせるというエマ。
「あらっ、あいかわらずかわいいわね肌もキレイで色白だしきっと赤は映えるわね楽しみだわ」
「? ハハハ・・・お久しぶりですエマさん」
「卓也あと頼むよ。忍はこっちだよ〜」
「一樹さん???」
「・・・・・ほどほどにしとけよ」
一瞬だが卓也さんはいつものポーカーフェイスを崩し俺をかわいそうに見るナゼなんだ? 話しかけようとしたけど一樹さんにしっかり肩に回された腕に逆らえず俺は2階へと引きずって連れて行かれてしまったのだ。
二階のVIP室では一樹とエマが忍で着せ替えごっこをしていた。
「ねぇあの子たちも連れてきちゃダメなの?」
「嫁入り前の忍の肌を見せるわけにはいきません」
「????? 肌!?」
それもそうねとつぶやきエマさんは部屋中に掛けられた服には触れずにテーブルに置かれていたものを広げ始めたのだ。それは振袖の山だった!俺は硬直し立ったまま動けなくなった。
「これなんて似合うわよ、淡い桜色から紅色になっていて」
「こっちは? 薄い水色に銀の刺繍が施されていつもと違ってクールに見えるんじゃない?」
「そうね〜ばれちゃいけないんだし大人っぽくしたほうがいいわね」
「ふふっ絶対に忍だってわからないようにしなくっちゃ」
おわかりいただけるだろうか、この着せ替えごっこは忍に拒否権はなかったのだ。そしてVIP室にある服はこれから来る客のために用意されている。エマと一樹に選ばれた客はこの部屋で着替えさせられるのだっだ。何も知らずに来た常連や連れの人をターゲットにしたこのイベントは開店まであと少し!