投稿(妄想)小説の部屋

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No.98 (2000/08/23 21:51) 投稿者:KUMIKO

ピクニック

 とある初夏の休日。時は現代、場所は日本。
 原作設定を全く無視した(^^;)邪道キャラ達のダブルデート&ピクニックの模様を中継します(笑)

桂花 「…吾は確か、料理を各自持ち寄ると聞いたんですが? どういうことなんですか?」
柢王 「いやぁ、やっぱ肉食いたくってさぁ、肉。どうせならこの場で仕留めてさっと焼こうと思っ
    たんだけど…。現代の日本ってなかなかそのへんに仕留められそうな獲物っていないのな。
    俺、千年近く前の日本しか降りてきたことなかったからさ、ははっ、ごめんってば」
桂花 「で、守天殿は?」
ティア「うん、私もつくりたかったんだけどね、料理長に泣いてすがってとめられたんだ。なぜなん
    だろう? やっぱり私がまだ若い守護主天だから信用ないんだろうか?(←全然関係ないと
    思うよティア/笑)アシュレイとの夜の関係がなかなか進展しないのも、私の至らなさなん
    だろうか、やっぱり…。私はあんなことや、こんなことだってしてあげたいのに…」

 一人で世界に入ってしまってブツブツ言っている守天は放っておいて、桂花はアシュレイに視線を向ける

桂花 「で? サ…アシュレイ殿までまさか何も作ってこなかったと?」
アー 「わざとらしく呼び直すなっ! お、俺だって…」

 一瞬何か言いかけたアシュレイは、しかし目の前に広げられた桂花の見事なお弁当を見ると、さっと包みを自分の後ろに隠した。

ティア「え? アシュレイ、後ろに隠したのひょっとしてアシュレイが作ったの?」
アー 「やっ…」

 嫌がるアシュレイから、守天はさっと包みを取り上げると、いそいそとそれを開けた。中から出てきたのは…

桂花 「…あれって、食べ物なんでしょうか…」
柢王 「…考えたくないけど…たぶん」
アー 「なっ、あ、味はいいんだからなっ、食いたくなきゃお前ら食うな、俺一人で食うっ」
ティア「そんなことないよ、アシュレイ、おいしそうだよ。ね? 食べていい?」
アー 「…ああ」 (←ちょっと嬉しそう/笑)
ティア「ああ、アシュレイ、おいしいよ。もう1個食べていい?」
アー 「ああ、いっぱいあるから、どんどん食べろよなっ♪」 (←ちょっと得意そう/笑)
ティア「あ、アシュレイ指怪我してるじゃない、ひょっとして、これ作るために切ったの? 
    見せて、治してあげる」
アー 「うわっ、指をくわえるな〜」
ティア「だってこの方が治りが早いよ?」
アー 「だからって、舌まで這わすな〜っ!!」
桂花 「…なんか、完全に新婚さんですね…あの二人」
柢王 「ま、ほっとこうぜ。天主塔じゃ、なかなかいちゃいちゃできないんだろうし…」
桂花 「…って、この手はなんですかっ!?」
柢王 「いやぁ、俺達もいちゃいちゃしようかなと…。な? いいじゃん、どうせアイツらもこっちの
    事なんて眼中にないって」
桂花 (せっかく5時起きでお弁当作ったのに…誰も食べないんですね…)←思っても口には出さず
    に一人静かに憤る桂花(泣)
海山 「大人って大人って…」(←桂花の肌を悪戯する柢王の手に視線が釘付けのお子ちゃま時代の
    カイシャン/汗)
柢王 「ああっ!? な、なんでお前がここに湧いて出るんだっ!?」
桂花 「ああ、カイシャン様。ちょうどいいところに。おなかすいてませんか?」
海山 「うん、ちょうどおなかすいてたとこ。これ、桂花がつくったの? うわぁ、おいしそう♪」
桂花 「さあ、どんどん食べてくださいね、まだまだたくさんありますから」
海山 「俺、いっぱい食べて、はやく大きくなって、桂花を守ってあげるから、待っててね」
桂花 「だったら、好き嫌い言ってないでピーマンもちゃんと食べないとね? ほら、口あけて、
    あーん」
柢王 「…ん」 (←途中で奪ったらしい/笑)
桂花 「あ、あなたねぇ。子供ですかっ!?」
柢王 「んー、子供になってお前に思いっきり甘やかしてもらうってのもいいよなぁ。そんで何も
    知らないいたいけな俺に、お前が手取り足取りいろいろと教えてくれちゃったりして♪
    …いででっ」
桂花 「あなた…人間界で危ない小説でも読みましたね?」

 桂花につねられた柢王は、そのまま桂花の膝にごろごろと懐いた。

海山 「ずるい…。俺も桂花に膝枕してもらいたいのに…」
柢王 「子供には1000年早いんだよ。出直してきな」
海山 「俺はもう子供じゃないよっ」
桂花 「はいはい、じゃあ二人とも膝枕してあげますから…しっかしあなたたち、二人で言い合って
    て空しくならないんですか?」
柢王 「全然!! 俺は例え自分とでもお前を分け合うつもりはないからな」
海山 「俺だって」
柢王 「おう、気があうな♪」
アー 「あ、あいつら…何やってんだ、3人でいちゃいちゃ…」
ティア「…いいなぁ、膝枕」
アー 「な、なんだよ、潤んだ目でこっち見るなよっ」(←実はティアのおねだり眼差しに弱いアシュ
    レイ/笑)
ティア「そういえば、ここのところいろいろあって眠れないんだよな、私。アシュレイが膝枕してく
    れたら、きっとすぐに眠れるのに…」(←やはり策士/笑)
アー 「う…」

 …結局、膝枕をさせられるはめになったアシュレイ。
 初夏の日差しに誘われてそのまますぐに寝入ってしまった守天の髪に思わず手を伸ばしそうになって、はっと桂花たちの方を見やる。
 膝に眠る柢王&カイシャンを抱え、大きな樹の幹によりかかって桂花も眠っていた。
 あったかい気持ちがふっと湧いてきて、アシュレイはそのまま守天の髪を梳きながら自分も目を閉じた。
 優しい風が、そっと頬を撫でていった。

 とある休日の一日のあったらいいな…でした。
                              (2000/05/02版改訂投稿)


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