投稿(妄想)小説の部屋

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No.94 (2000/08/22 11:58) 投稿者:藤水 一世

ブレイク・ブレイク・カップル2

 二葉がどんな姿になってもきっと見分けられる―――
 俺が全身全霊で好きになったひと。
 いまも泣きたくなるくらい好きなひと。
 俺の心には、二葉しか、いない。

 二葉の隣に、悠がいた。
 当然のように、ずっと前からここが俺の場所なんだよって、そんな顔をして。
 悠を見下ろす二葉の顔もやさしくて。
 ちょっと前まで、俺に向けられてた、表情。
「ふたば」
 思わず唇からこぼれた愛しいひとの名前。
 でも二葉は俺を見てはくれなかった。悠が俺を見た。
「いまさら二葉に何の用? おまえは二葉を捨てたんだろ? 二葉は今度は俺を選んでくれたんだ。別に彼に近づいたっていいけどね。俺は二葉を信用してるからね、誰かと違ってね!」
 捨てたんじゃない。嫌われたくなかったんだ。
 だから自分から別れを告げた方がいいと思ったんだ。
 二葉に嫌われて、別れを告げられるよりいいと思ったんだ。
 なんて醜いエゴだろう。
 自分のために、一番大事なひとを傷つけてる。
 二葉から離れるのは俺が選んだことだけど、それでも心はこんなに二葉を求めてる。
 俺を見てよ―――

「ふたば」

 ふと、意識が切り替わった。
 閉じていた目を開けたら、俺の好きなサファイア色の瞳があった。
「忍」
 あの碧い、綺麗な瞳に、俺だけをまっすぐに映す瞳に見つめられたかった。
 あの甘い、安心できる声で俺の名前を呼んで欲しかった。
「忍。帰ろう。おまえは寝てていいから」
 ああ。
 俺はこんなにもおまえに飢えていた。
 今俺を包む、優しい声も瞳も体温も、きっと幻なのに。
 なのに涙が止まらなくなるほどに。

       ・・・続く?(またかい! でもホントどうなんでしょうか≪汗≫)


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