ブレイク・ブレイク・カップル2
二葉がどんな姿になってもきっと見分けられる―――
俺が全身全霊で好きになったひと。
いまも泣きたくなるくらい好きなひと。
俺の心には、二葉しか、いない。
二葉の隣に、悠がいた。
当然のように、ずっと前からここが俺の場所なんだよって、そんな顔をして。
悠を見下ろす二葉の顔もやさしくて。
ちょっと前まで、俺に向けられてた、表情。
「ふたば」
思わず唇からこぼれた愛しいひとの名前。
でも二葉は俺を見てはくれなかった。悠が俺を見た。
「いまさら二葉に何の用? おまえは二葉を捨てたんだろ? 二葉は今度は俺を選んでくれたんだ。別に彼に近づいたっていいけどね。俺は二葉を信用してるからね、誰かと違ってね!」
捨てたんじゃない。嫌われたくなかったんだ。
だから自分から別れを告げた方がいいと思ったんだ。
二葉に嫌われて、別れを告げられるよりいいと思ったんだ。
なんて醜いエゴだろう。
自分のために、一番大事なひとを傷つけてる。
二葉から離れるのは俺が選んだことだけど、それでも心はこんなに二葉を求めてる。
俺を見てよ―――
「ふたば」
ふと、意識が切り替わった。
閉じていた目を開けたら、俺の好きなサファイア色の瞳があった。
「忍」
あの碧い、綺麗な瞳に、俺だけをまっすぐに映す瞳に見つめられたかった。
あの甘い、安心できる声で俺の名前を呼んで欲しかった。
「忍。帰ろう。おまえは寝てていいから」
ああ。
俺はこんなにもおまえに飢えていた。
今俺を包む、優しい声も瞳も体温も、きっと幻なのに。
なのに涙が止まらなくなるほどに。
・・・続く?(またかい! でもホントどうなんでしょうか≪汗≫)