投稿(妄想)小説の部屋 Vol.3
えんまちゃんは、今日も元気に霊界を出発します。
まずは、天主塔の父上の所へ、朝の挨拶に向かいます。
えんまちゃんが、父上のお部屋の前に行くと、扉の中から父上の悲鳴が聞こえます。
「父上?!大丈夫ですか!!」
えんまちゃんは、ドンドンと壊れんばかりに扉を叩きます。
しばらくすると、「お入り」という、父上の声がしました。
えんまちゃんは、急いで中へ入ると、父上が寝台に半身を起こし、気だるげにくるみ色の長い巻き毛をかきあげていました
「毎朝、律儀に挨拶に来なくても良いと言ってるのに」
「でも、父上にお会いしたくて…。さっきの悲鳴はなんだったのです?ご無事なのですか?」
「ふふふ…、心配することはないのだよ。おまえが元服したら教えてあげる。早く大人にお成り」
いつも父上はこうです。何を聞いても、必ず「元服したらね」と仰います。
はだけた簡衣から見える、散在する赤い小さな痣も、ご病気ではないのかしらと気になりますが、きっとこれも「元服したら」なのでしょう。
父上はネフロニカと言うお名前なのに、人々が何故か「いんま」と呼んでるのも気になっています。
自分が「えんま」だから、父上は「いんま」なのかしら。じゃあ、母上は「うんま」だったのかしらと、一度父上に聞いてみたいのですが、これも「元服したら」と言われてしまうと思い、まだ聞けていません。
父上への挨拶が済んだので、これから塾へ行かないといけません。でも、塾へ行くのはちょっぴりゆーうつなのです。年少組に、阿修羅君という乱暴な男の子が入学してきたからです。
「今日はいじめられないと良いなあ」
えんまちゃんは、ドキドキしながら塾へ向かいます。
「阿修羅君が大きくなって、南の王になった時、父上が苦労しないといいけど…」
阿修羅君は、えんまちゃんより、うんと年下なのですが、既に塾では一目置かれる存在になりつつあるのです。今から心配です。
「ボクは父上と同じように、大人しい性格だけど、阿修羅君の父上はどんな方なのかしら。やっぱり乱暴な方なのかしら。じゃあ、阿修羅君の子供も、やっぱり乱暴者なのかしら。ボクの子供はきっとボクに似て大人しいだろうから、いじめられないと良いなあ」
更には、将来の自分の子供のことまで心配してゆーうつになる始末です。
でも、大丈夫。ネフロニカv.s.阿修羅はともかく、子供たちはとっても仲良くなることでしょう。つか、てめーだ!てめーが諸悪の根源だーっ!というのは、後のおはなし♪とっぴんぱらりのぷう
※閻魔大王にも個人名はあるんですよねえ?ネフィー様がつけるんだから、バイオレットちゃんとか(似合わない…)。あ、阿修羅王も役職名なんですよねえ…。
Powered by T-Note Ver.3.21 |