投稿(妄想)小説の部屋 Vol.3
柢王 『迎えに来た 桂花。』
後ろでは柢王に倒されたSP達。うめきながら身動きをとれずにいる。一体何人のSPを倒したのか?
ステージの真正面に向かい 桂花に向け手を差し出す。まるで王のごとく輝くオーラを身にまとい桂花だけを見て。。
協力者がまさか柢王本人だとは思っていなかった桂花は呆然とステージ中央に立ちつくす。
桂花 (まさか?本当に?)でも嬉しくて、信じられなくて。。
『何故 ここに来たんです?』それでも出てくるのは憎まれ口。可愛くない。嫌われたくなどないのに。。
柢王 『自分のものを奪り返しに来て何が悪い?』近づいて来るのは愛しい男(ひと)。
一歩。もう一歩。見えるのはお互いだけ・・周りの事など分からない。
まるで映画のワンシーン。誰も口を開かない、聞こえるのは観客の息継ぎの音。それすら分からない無音の世界。
桂花 『私は物扱いですか?』震える声。期待なんかしてないしちゃいけない。
(顔をあわせる度に冗談しか言わなくて。。本心を見せたりしなかったくせに!)
柢王 『俺では嫌か?それとも他の優しい男がいいのか?』(自信などあるわけがない。。)
桂花 『ふざけないで!誰が嫌だといいましたか!!』(ずるい男!)
この数日会えない日々がどれだけ辛かったかこの男には分からないのに違いない。
柢王 『なら 俺を選べ!』(頼むから!)
桂花 『〜っ!』どこまで不遜な男!こらえた涙。もう止まらない。心は彼に捕らわれたまま吾の元に戻らない。
柢王 『桂花?。。俺と一緒に年を重ねていってくれないか?』もう遅かったのだろうか?初めて見せる不安げな声。
とうとう重なる手と手。。伝わる温もり。
桂花 『喜んで。。』 (やっと言える。。) すべての答えをこの言葉に込めて。。
その瞬間周りが音を取り戻す。誰もがこれを演出としか思っていない。まさか本当にプロポーズしているなど誰が思うだろうか?
柢王 『やっと 捕まえた。。』ささやくように言われた言葉。
桂花 『。。ばか。。。』 俯いて顔をあげられない。もうどんな顔になっているんだろう?
後ろから1組のペアが近づいてくる。中央2人に花嫁役が両手に抱えてきた花びらを振りまくと中心に桂花の笑顔。
すれ違いざま花婿役が2人に声をかける。
ティア 『逃げるよっ!』 笑顔のアシュレイとティア。楽しげに手を取り合って走りぬけていく。
また1組のペアが近づいてくる。まだ見詰め合う2人。
桂花 『私は走れません』笑いながら自分の足を見せる。なぜか花嫁衣装には不似合いなかかとの低いパンプス?
柢王 『ん?』なぜそれを今言うのだろう。。『は!!』マジか?嬉しさに驚きながら
『定番っちゃぁ、定番だがな!』(世の中の野郎ども!こいつは俺の花嫁だ。ざまぁみろ!)
花嫁役を抱き上げて堂々と退場していく。。なんて大胆なステージか。
誰も花嫁を奪いに来たとは思わない。イベントは好評のうちに幕を降ろすのである。
ネフィ 『やってくれるじゃない。』観客席で見ていたけれどまさかここまで面白い事になるとは。はっ!バカばかしい。
ひとめ見て気に入っていたのに。これならティアのも断らないだろうと思っていれば予想に反してあの小猿?そういえば昔から
あの弟の好みは自分と正反対だった。でも、諦めたわけじゃない。。どうにか次の作戦を練ろうかな。。
ネフィ 『小猿にはとっくに手を打ってるしぃ。ティア?お前には不利だよ♪』
(誤解を解かない限りお前はあの小猿に好かれないだろうねぇ。)クスクス。。
しかし役に立たないSP達。これらが付いていたから小猿がそばにいるのを黙認してきたのに。。考えが甘かったね。。
あの時真っ直ぐに怒鳴り返してきた小猿。もしもティア?もしもお前があの娘を捕えることができたなら今度はちゃんと認めてあげる。
その日がちゃんときたらだけれど?。。
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