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投稿(妄想)小説の部屋 Vol.3

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No.117 (2007/05/09 22:46) title: 統一地方選挙(付録)
Name:モリヤマ (i220-221-231-207.s02.a018.ap.plala.or.jp)

 
 
 全てが終わり、アシュレイが選挙のための資料等を蔵書室に返しに行く途中。
 突然扉が開いて、部屋の中からよろよろと人が出てきた。
 
アー 「うわっ…! なんだおまえ、大丈夫かっ!?」
ナセル「アシュレイ様…!?」
アー 「ナセル! おまえ、…久しぶりだな。
    どうしたんだ、なんだかやつれて見えるけど」
ナセル「ここしばらく、ずっとカンヅメ状態でしたので」
アー 「カンヅメ…?」
ナセル「守天様の推薦で、選管の方から特命を仰せつかっておりました」
 
 
〜〜〜 * 〜〜・〜〜 * 〜〜〜〜 * 〜〜・〜〜 *〜〜〜〜〜 * 〜〜〜
 
ティア 「いやね、アウスレーゼ様たちが来てすぐに、
     有能で信頼できる者をひとり貸してほしいって言われて、
     推薦したんだけど…。
     まさか、そんなハードな任務だったとは思わなくて。
     ごめんね、ナセル。疲れただろう。しばらく休暇取って
     休んでいいから。ああ、もちろん、有給でね」
 
〜〜〜 * 〜〜・〜〜 * 〜〜〜〜 * 〜〜・〜〜 *〜〜〜〜〜 * 〜〜〜
 
 
アー 「特命?」
ナセル「はい…。選挙人名簿の作成や、投票入場券の作成と配布、
    あと、天主塔ニュースの編集等、諸々の雑事を一手に」
アー 「あれって、おまえだったのか…!?」
 
 道理で、アウスレーゼたちが帰った後にニュースが入ったはずだ。
 
アー 「そうか、ご苦労だったな。でも、おかげで、無事ティアが当選したぜ」
ナセル「はい、おめでとうございます」
 
 そういうと、まるで自分のことのように、満面の笑みでアシュレイが「ん!」と答えた。
 
ナセル「・・・・・・・・・」
 
 しばし無言の後、あっ…とナセルが廊下でつまずき転びそうになり、アシュレイが咄嗟に支える。
 
アー 「大丈夫か?」
ナセル「はい…申し訳ございません」
 
と言いつつ、少し疲れているのかもしれません、などと言ってみるナセル。
 
アー 「いいって、このままで。もっと俺にもたれかかっていいぞ。
    部屋まで送ってってやる。遠慮すんなって。…そう、ゆっくり歩けば
    いいから」
ナセル「はい…。申し訳ありません、アシュレイ様」
アー 「気にすんなって!」
 
 そう言って、ニッコリ笑ったアシュレイを見て、このくらいの役得、あってもいいだろと心でつぶやくナセルだった。
 
 
 
 
 
ところ変わって、最上界。
三界主天へ選挙結果の報告のため、卯日宮を訪れたアウスレーゼとデンゴン君の前に、アウスレーゼの許婚者オーティスが行く手を塞いで仁王立ち。
 
オー 「ずいぶんとお楽しみだったようだな、アウスレーゼ」
アウ 「なにがだ?」
オー 「フン、知らぬと思うてか」
アウ 「…江青のことか」
オー 「身に覚えがあるようだな」
アウ 「や、ないぞ。今回の我は、潔白だ」
『あうすれーぜ、潔白』
オー 「…この人形にも、いいようにやられておったではないか」
アウ 「ははは。よいのだ。この子はまだ子供ゆえな」
オー 「そなたは次期三界主天の身なんだぞ? こんな人形ごときに…」
『あうすれーぜ、コノ怖イ人、誰?』
アウ 「ああ、これはな、我の許婚のオーティスだ」
『おーちす?』
 
オー 「我は、オーティス、だ。変な名前で呼ぶな、人形」
『ダッテ、言イニクインダモン…。縮メテ 呼ンデモ イーイ?』
 
(言いにくい?
 確かティアランディアのことは、きっちり発音していたと思うが…?)
 
 不思議に思いながらも、オーティスに代わって勝手に「構わん」とアウスレーゼが許可を出す。
 
『ジャ、きょーチャン』
オー 「…誰だ、それは」
『オマエ』
オー 「誰が、おまえ、だ!」
『ダッテ、縮メテモイイッテ。』
アウ 「デンゴン君、なにを縮めたのだ?」
『きょーさい、ノ きょーチャン』
アウ 「きょーさい?」
『アノネ、恐イ妻 ノコト』
オー 「…ぶっ殺す!」
アウ 「待て、オーティス。デンゴン君は、まだ子供なのだ。それに
    この子はそなたの父君、三界主天様がお創りになった人形。
    いわば、そなたの兄弟とも言うべきものではないか」
『我ノ 妹ー?』
オー 「誰が妹だっ!!」
『…ジャ、従妹…?』
オー 「アウスレーゼぇぇぇぇぇぇぇぇ…!!
    そなた、この人形にどういう教育をしておったのだ!」
アウ 「や…教育と言われても、参ったな…はは」
 
 そんなオーティスを見て。
 我が未来の妻は、恐妻というよりも、熱妻とか炎妻とか…そういう燃え(萌えではない)系妻ではないかな、などと悠長に考えるアウスレーゼだった。そして、 
『テイウカ、怒妻(ドサイ)……?』
 アウスレーゼの窮地も知らず、火に油を注ぐデンゴン君だった。
 
 
 終。 
 
 
 


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