投稿(妄想)小説の部屋

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No.523 (2004/05/27 16:57) 投稿者:桃悟

真夜中の小事件

「はい?」
 電話が鳴った。もう仕事も終わり帰ろうかと迷っていたところだった。
「助けてくださいっっ」
 泣きそうな声。後ろでは最近大きくなったと思っていた従兄弟が、昔からかわらない泣き声をあげている。
「どうしたの? 忍? 桔梗もいるの?」
「一樹・・・うえっ。助けてよぅ。家にきてっっ!!」
 何かあったのだろうか?
「桔梗? 落ち着いて。何があったの?」
「うえっっ。はやく家にきて!!」
 後ろで忍がお願いしますっっと言っている声が聞こえる。とりあえず一樹は、すぐ行くからと電話を切った。

 車を走らせながら、一樹はそういえば今日は忍が桔梗のところに泊まると言っていたな、と思い出す。卓也は、今、実家に戻っていて家にいない。二葉も今日はバイトが遅くなると言っていた。

 ガチャ
「いやぁ。こないでっ」
 忍の声が聞こえた。キッチンのほうからだろうか?
「どうしたんだい?」
 一樹はキッチンにはいって忍に近づく。すると忍はもう我慢できないといったさまで、一樹にしがみついてきた。そして泣きながら、
「一樹さん・・・でたんです」
「でた? なにが??」
一樹の耳に、カサッという音が聞こえた。
「まさかゴキ・・・」
「やぁ!! その名前言わないでっっ」
 一樹の声を忍がさえぎる。
 ドタドタドタッ
 階段から桔梗が降りてくる。かずきぃ〜と桔梗もしがみついてくる。一樹は、ふぅとため息をつき、
「やっつけてあげるから、ちょっとはなしてね」
 すると桔梗が、
「これ・・・」
 と言って、ゴ●ジェットを差し出してくる。さっき2階でとってきたのだろう。しかし一樹は、
「こっちのほうが一発なんだよ」
 と言い、食器洗い洗剤を取り出してくる。そして名前も聞きたくない黒い物体に、ドバァっとかけた。
「・・・・」
「・・・・」
「これはすてておこうね」
 笑顔でゴ●ブリをすてて、テキパキと床をふきはじめる。
「「一樹・フレモントは最強だ」」
 忍と桔梗、二人同じことを考える。

「ただいまぁ〜」
 バイトが終わり、忍が桔梗の家に泊まると言っていたので二葉も桔梗の家にきた。もうみんな寝てるのか静かだ。しかしリビングの明かりがついたままだ。二葉がリビングに行くとなぜか忍と桔梗と一樹が仲良く寝ている。
「???」
 単に桔梗が怖いと言って一樹が泊まったのだが、二葉は何がなんだかさっぱり。机の上にゴ●ジェットがほったらかしである。
「・・・・・」
 まぁいいか、と二葉は考えることをやめ、オレもバイトで疲れてるしぃ〜と、忍の横にチャッカリ寝ころがる。
「おやすみ♪」


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