二葉が二人??
キィィィー!!!
「ん?? あれ忍か?」
相変わらず少し細い感じはするが、いつもよりちょっとだけしっかりした感じをうけた。。。気がした。
(いや。いつもしっかりしてるけど。。。)
忍はストレートのパンツに薄いシャツを2枚重ね着して、一番目のボタンを外していた。忍は笑って誰かと手を振って別れていた。相手をじっと見ていた二葉は・・・
(え? あれ一樹じゃないか??)
今日は高校の同窓会に出席するから夜から会おうって言われていたのだった。
(いや。単なる偶然だろ。今から行くのかもな)
と一人納得して二葉は呼んだ。
「忍〜!!」
反対側の歩道から走って、決して低くはない車道と歩道を隔てる棒を軽々と超える姿を、周りにいた人達はジッと見ていた。この国の血だけじゃないと容易に分かる容貌にスタイル。一見怖く見えそうなほど整った顔が、ひとなっつこい笑みを浮かべているのだから見るなという方が無理だ。
「忍! まだ行って無かったのか??」
「・・・・二葉??」
驚いている様に感じられた忍を見て、さっきの一樹疑惑が浮上してきた。動揺しながらもそれを感じさせないように、二葉は不思議そうな顔をして答えた。
「・・・? 決まってるだろ? 違う人に見えるか?」
「えっ。・・いや・・そうじゃなくて。」
と小さく答える何かぎこちない忍の目を二葉はジッと見ていた。それに気づいた忍はあわて話かけた。
「どっどうしたの?」
そんな忍をジッと見ながら二葉は冷静になってきていた。
「ん。いや・・まさかな。うん。忍に限ってそれは無いな。」
と小さくつぶやいてから
「何? 今から行くのか?」
「えっ? 何処に?」
「・・・どこって同窓会じゃないのか・・?」
「!!!」
一瞬驚いた忍だが、そんな様子もつかの間。いつもの落ち着きが戻っていた忍は、何処かに電話してから二葉を喫茶店に誘った。
「な〜んだ。明日だったのか〜。」
二葉は忍から同窓会は明日だと聞いてホッとしていたが、さっき別れてた人を聞いてもうまくはぐらかされていたので気になって気になってしかったが無かった。が。何度聞いてもうま〜くはぐらかされるのだ。
(何かいつもよりますます一樹みたいだ・・・何かいつもより大人っぽいし)
と一人心の中で愚痴ってから
「何か今日いつもとちがくね?? その服も初めて見た。いつ買ってたんだ?」
「そうかな〜? 何もかわんないと思うけど・・・。髪型が違うからじゃない? 服は・・あ〜その内分かるよ。」
「?? ふ〜ん。髪型だけでこんなに大人っぽくなるんだな〜」
「・・・嫌い?」
「んや。すっげ〜そそられる! 服もおれ好みだし!」
クスッと笑ういつもより大人っぽい忍に二葉は一瞬目を奪われた。そんな事は知らない忍は笑顔からいきなり真剣な顔つきななった。
「ねー二葉。それより、けが・・とかしてない??」
「けが?? いんや別に。どうかしたのか?」
「うんん。何でもない。してないならいいんだ。」
と忍がにこっと笑った時、二葉はドキッとして頭が真っ白になった。
(ん〜どうも調子が狂うな〜。でもさすがは俺の忍! かっこいい!!)と思っていたら・・・
「よっ」
と誰かが話かけて来た。二葉が見るとそこには自分とよく似た、でも髪の長さも体つきも微妙に違う男がいた。
「二葉!!」
「誰だ? こいつ?」
二人の声は同時だった。