現在の僕から、未来の君へ
ねぇ、君は今何をしている? 僕の側に変わらず君が居てくれることを願わずにはいられない。
いつも空回りしている僕だけれど、出来るだけがんばりたいんだ。
要領も良くないし、自分の限界って言うのもわからずにいる僕をもどかしく思ってるのは知ってる。挙句、一樹さんに逃げ込むように逢ってしまう事もしばしばだし……。君がそれを嫌がってることも知ってる。だけど、どうしても君に逢う前に自分と向かい合いたくなるんだ。ただ、一人で向き合う勇気がないんだ、どうしても。
「なら俺がいるじゃないか! 俺の側で向き合え!」て言うだろうね。
でも、それじゃ駄目なんだ。僕は君と対等でいたいから。
一樹さんは僕にとっては、なりたい大人なんだと思う。少し上から見てくれてるような,決して見下ろしてるんじゃなくて、見守ってくれる。相手との距離のとり方がうまくて、付かず離れずって感じで、う〜ん、うまく言えないな。ありていに言ってしまえば、お兄さんなんだよね、僕にとって一樹さんは。年の離れたお兄さんってこういう感じかなって思うんだ。だから、きっと何かあっても繋がっていられるような気がして……。
だけど、君は違う。同じ位置に立っていてくれるよね。僕と同じ位置まで降りてきたり、同じ位置まで僕を引っ張り上げたり。頑張り過ぎちゃうと引きずり落とすこともあったかな?「何やってんだ!」って。
そんな君だから、僕もそうありたいと思うんだ。対等でいたいと強く思う。君に守られてるだけじゃいけないって気がするんだ。それ以上に、君を守れるようになりたいって思う。その為には、君の側では駄目なんだ。君の側にいると,そのときが一番になってしまうから。
君にはもうバレてるかも知れないけど、君の側はとても暖かいんだ。僕より少し高めの体温と鼓動に包まれると、時が止まればいいと何度思ったことか。人の肌がこんなにも暖かいことを僕は知らなかったよ。
君が僕に教えてくれたものは沢山あるけど、その中でも極めつけが、泣く事と甘える事。どっちもうまく出来ないから君も傷つけてしまうことが多いと思うんだ、ごめん。いけないことだと思ってたから、自分なんかまだ大丈夫、って思ってたから、慣れてないんだ。だから、今は少し時間が欲しいんだ。君の側にいても自分が自分でいられるように、君だけの僕にならないように。ずっと君といられるように、僕も強くなりたいんだ。君の腕の中にいても、君を包める様になるために。
ずっとこんなことを考えていたんだ、最近。一樹さんの部屋で、ボーっとしながらね。でも、今は言えない。こうやって書いてみたけど、渡さない。いつか自分で言える様になるまでしまっておくんだ。笑って言える様になるまで。
「あの時のは、この事だったのか?」ってあきれてもいいよ。
「なんだぁ、馬鹿だな。」って笑ってくれてもかまわない。
近い未来に二人で笑って読む日が来る。きっと君の腕の中で笑いながら読む日が。そう願ってる。信じてる。
ねぇ、二葉。僕は同じ位置にいるかな? あまり変わらない僕かもしれないけど、これからも一緒に時を重ねていこうね。
二葉、君の名前を呼ぶだけで僕は幸せを感じるよ。
二葉、ありがとう。
いま、同じ時を歩いてることは誰に感謝すればいいのか分からないから君に言う。
二葉、ありがとう。そして、これからもよろしく。