光り輝く血
魔族の血、それは色とりどりの色をしている。青い血、黄色い血、紫の血、白い血、されど、冥界教主のてによって蘇った者は皆黒い血を持つことになる。
「寧! そなたの血は何色でした??」
久しぶりに冥界にもどった寧に、そう聞いたのはいつも冥界教主のそばに控えている李々である。
「あの子の血は、白かったのですよ。その白い血が、感情に昂ぶりによって光り輝き、その輝きが薄い皮膚を通してあの子の体を発光させるのですよ。それがとても綺麗で、わたくしはそれが見たくてあの子の喜ぶことをいろいろ教えてあげたのです。」
李々は黒い水を手ですくいながらそう語った。
李々があの子というのは、ただ一人しかいない。今、寧が使えるお方
でる。だけど、その人が光を放つことはない。それにその人が歓喜に顔をほころばせることはないだろう。その美しい顔は悲しみだけを張り付かせているのである。