投稿(妄想)小説の部屋

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No.430 (2002/04/06 23:00) 投稿者:彼方

アシュレイ争奪戦IN南国領

 明日は塾がお休みで一日何の約束もない日。
 自分の部屋に居たアシュレイは父親の炎王の呼ばれた。
 コンコン★
 軽くノックをして扉を開ける。
「何だよ、親父。呼び出しなんかしやがって! なんか、用事があるんだろうな?」
 台座に座る炎王は悠々と構え、まぶしくアシュレイを見る。
「もちろん、用事があるに決まってる。我が息子、アシュレイ。明日は塾が休みのはずだが予定はあるのか?」
「なにもねぇよ。それがどうかしたのかよ?」
 何も予定がないと聞いて炎王は満足げに頷く!
「ああ、ちょうどいい。いつもはグラインターズに任せてばかりだからな、たまにはおまえの服を買ってやろうと思ってな。用事がないなら、決定だな。明日は買い物だ!」
「は!? それだけのためにわざわざ、俺の部屋に手紙をおいといたのか? それだけなら部屋に戻るからな!」
 あきれかえったアシュレイは自室に引き上げます。
 その後に残された炎王は・・・ニヤついていた★
「わたし好みの洋服を買ってやろう、アシュレイ。明日が楽しみだ♪」

 そんなこととはつゆ知らず、アシュレイは自室に戻る手前でグラインターズに呼び止められた。
「アシュレイ、探しておったぞ。」
「どうされました、姉上。俺をお捜しとは・・・」
 姉に会えた喜びを隠そうとはせずにグラインターズに駆け寄る。
「ああ、詳しくはおまえの部屋の中で話そう。入れてくれるな?」
 にっこりとアシュレイの笑顔に微笑みで返す。
「もちろんです。どうぞ」
 部屋の扉を開け、グラインターズと一緒に部屋に入る。
「で、ご用件は何です? 姉上が俺の部屋に来るのは久しぶりですね♪」
「ああ、用件はな。以前、服を買いに行く約束をしておったであろう。幸い、明日は塾が休みだしな。明日、一緒に行かぬか?」
「えっと、あのさ、明日は親父が・・・」
 言いにくそうにもたもたとアシュレイが言葉を探す。
「ん? どうした? 父上に何か言われたのか?」
 にっこりと顔は笑っているが・・眼が笑っていない(!)
「あの、親父が明日は一緒に俺の服を買いに行くって・・・」
「ほぅ! 父上がアシュレイの服をね・・・そう、分かったわ。ちょっと、私が話をしてきてやろう。おまえの返事は明日にでも聞くとしよう。それでいいな、アシュレイ?」
 眼が笑っていない笑顔にこくこくと頷く。
「う・・・うん、そうですね。あ・・・明日までに考えておきます」
「そうね、いいこだわ。アシュレイ。じゃ、ちょっと行って来るわね♪」
 にっこりと微笑みを残してアシュレイの部屋からグラインターズは出ていった。
「姉上・・・明日にはどうする気何ですか?(困惑)」

 さて、舞台は移って炎王の謁見の間。
 其処ではまんまと約束をする事が出来、にやついてる一人の男、炎王が居た。
「これで、久しぶりにアシュレイと買い物が出来る。しかも、グラインターズの邪魔はなしでな・・・(歓喜)」
 しかし、そううまく運ぶはずが無かった・・・(笑)
 バタン!
 勢いよく扉が開き、逆光の中に人影が・・・
 グラインターズだ★
「父上、お話ししたいことがあります。お聞きいただけますね?」
 逆光の為に表情は分からないが・・・
 明らかに声に怒りが見える。
(ちぃ! もうばれたのか!)←炎王、心の声
「話とな? なんだ、グラインターズ。ついに見合いを受ける気になったのか?」
 隙を見せないように先手を打って迎え撃つ!
「いいえ、そのような事は絶対にありえません。別件です。明日、アシュレイとお買い物のお約束をされたとか・・・どういうことですか?」
 だんだんと近づきつつ、威嚇してくるグラインターズに炎王の声が覇気をなくす。
「ど・・・どういうこととは?(冷や汗)」
 ついに目の前に立たれ、額に冷や汗が浮かぶ。
「アシュレイの服など、身の回りの世話は私の担当のはず・・・今更、出しゃばったりしませんよね? 父上?」
 にっこりと反論を許さない微笑み付きで炎王の顔を見下す(←!?)
「明日のお約束・・・破棄していただけますね? 私がアシュレイとお買い物に行かせていただきますので★ よろしいですか?」
「・・・」
「父上? よろしいですね?」
「・・・・・・」
 返答を返さない炎王にグラインターズがさらに顔を近づけて問いつめる。
「父上、私はよろしいですかとお伺いしてるのです。お返事くらい男らしくしたらどうですか!?」
「返事をしたら、アシュレイと出かけられなくなるではないか!」
 だだっ子のように素直に頷かない・・・
「まぁ、お返事をいただかなくても私はアシュレイと出かけますので・・・では、父上。ごきげんよう」
 にっこりとさらに駄目出しをだし、謁見の間をグラインターズは颯爽とあとにした。
「どうしたって、アシュレイを連れて行くのではないか!? なぜ、あやつはあんなに怖いのだ。」
 そういっても、負け犬の遠吠えである。
「いつか、いつかアシュレイに服を買ってやるんだ! 私の見立てで!!」
 新たに決意を固めていた。

 その次の日の朝・・・
 目を覚ましたアシュレイは誰かが来る前に抵王の元に脱走をし、一日を天主塔で過ごしている姿が目撃されている・・・
 次の休みにグラインターズにつき合う約束をし、服を買いに行ったのも言うまでもない。
 哀れな炎王、アシュレイに服を見立てることは出来るのか?
                    (続き・・・ません★)


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