八紫仙(1)のChristmas
お久しぶりじゃの。
八紫仙の長老、八紫仙(1)ぢゃ。
今のところ、儂は優雅な生活を送っておる。
最近はの、けーきもいろいろと食べるようになってのぉ。
しょーとけーきとかいう真っ白いくりーむの上に苺が乗っている
けーきを好んで食しておる。
ふわふわの柔らかい生地の間に苺とくりーむがはさんであってのっ、
くりーむも甘くて、大変美味なんぢゃ〜〜〜♪♪
じゃが、アレを食べると髭がまっっしろになるんぢゃ〜。
使い女に怒られるんぢゃよ。
「長老ともあろうお方が情けない」
そう言って怒りよるんぢゃ〜〜(泣)
なのでな、儂も考えた。
髭を二つに結わえて、くりーむがつかんようにすればよろしい。
そうすれば使い女にも怒られず、しょーとけーきが思う存分食べられる、というものぢゃ!!!
我ながら名案、と思って実行してみたのじゃが…
その姿をみた八紫仙(4)に怒られたのぢゃ……。
「八紫仙の長ともあろうお方がなさる格好ではございません!! 誰かに見られでもしたらどうなさるんですか!!」
勝手に儂のくつろぎたーいむに入ってきたくせに怒りよるんぢゃ(泣)
三つ編みにしたのがまずかったかのぅ…(悩)
それはそうとじゃな。
本日は人間界では「くりすますいぶ」というものらしいの。
けーきを食べ、鳥を焼いて食し、酒も飲んで、どんちゃん騒ぎをしているウチに雪が降るという年に1度の日と聞いたぞ。
おぉ、そうぢゃ。「さんたくろーす」とかいうのもおるんぢゃったの。
なにやら襟元やそで口に白い毛皮がついた赤い服に、赤い帽子を被った白髪の長い髪の老人が暖炉の煙突を使って外部から侵入し、子供達の枕元に吊るされた靴下の中に袋の中からだしたものを入れ、また違う家へと忍び込むことを繰り返す…という御仁らしいの。
しかもその袋から出されたものを子供達はたいそう楽しみにしておるそうではないか。
……ね○み小僧のような老人ぢゃの。
しかもその老人、トナカイがひくソリにのって空を走り回っておるそうぢゃな。
なかなか豪気なお方ぢゃ(ふぉっふぉっふぉっ)
それをどこからか聞き及んできた使い女の一人が「くりすますけーき」というものを作ってくれると申しての、今楽しみに待っておるところぢゃっっ。
最近はこーしーも飲めるようになったぞ。
砂糖とミルクをたんまりと入れた甘いこーしーが儂は好きぢゃ。
少しの苦味とまったりとした甘味がたまらんのぉ(ふぉっふぉっふぉっ)
……んん??
なにやらいい匂いがして来ましたぞ??
…もしやっ!!!!
「くりすますけーき」とやらができあがったんぢゃろうかっ??
早う、持ってこんかのっ。
トントン
某使い女さん「(1)様、失礼いたします。ケーキが焼けましたので、お持ちしました」
おぉっ。けーきぢゃっ
白いくりーむがたくさん乗っておるのぉ。
いつもの倍…、いや3倍ぐらい乗っておるのではないか?
某使い女さん「えっ……。えぇ、(1)様はクリームがお好きでしたでしょう? ですから…」
好きぢゃっ。くりーむは甘くて旨いのぢゃっ〜。
某使い女さん「お切りしますわね」
うむ。
…………。
…………………。
………。
なにやら苦労しておるの。
切り分けにくいけーきなのかの〜〜??
某使い女さん「(ふぅ〜)さっ、切れましたわ。どうぞ。コーヒーも御用意しております」
では頂くことにするかの。
ん? ナイフも使うのか??
はて、はじめてじゃの。
……では。(←切っている)
頂きますぞ♪
ゴキッ!!
某使い女さん「…あ。」
なんぢゃ…、今の音は……。
儂の中で響いたぞ??
ん?(…ぺっ)……これは…なんぢゃ??(←白い物体を口から取り出した)
ををっっ。
……歯がかけておる………(爆涙)
なぜぢゃ。
なぜ、歯がかけるのぢゃ〜〜〜。
この歯はのっ、高い高い差し歯なのぢゃぞっっ。
こりゃっっ!!! どういうことぢゃっっ!!!
某使い女さん「申し訳ございませんっ!! いろいろと加減を間違えてしまいまして、とても固いケーキが出来上がったのでございます」
なんでそれをもってくるのぢゃ〜〜っ
某使い女さん「(1)様が楽しみにしてらしたご様子で、できませんでしたとは申し上げにくく…クリームをたくさん乗せたら、誤魔化せるかしら〜♪ …なんて思いまして」
とほほほ(涙)
せっかくの「くりすます・いぶ」ぢゃというのにとんだことになってしまったわい。
食い意地が張っておるといかんということぢゃな!!
皆も心するようにの。
…しかし、儂の差し歯…。
これではけーきどころか、大福も餅も食えんではないか(泣)
…守天様、手光で治しては下さらんかのぉ……。(←遠い目をしている)
いかがかの。
これが儂の「くりすます」ぢゃっ!!