投稿(妄想)小説の部屋

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No.386 (2001/10/06 23:23) 投稿者:桜草

二葉…

 こんな木枯らしの中でだって、二葉と一緒なら寒くない。
 繋いだ手から伝わる暖かさは、俺だけのものなんだ…
 逢えないときだって、心はいつも二葉の隣にいるよ。
 愛してるんだ…
 本当だよ。

 久しぶりに二葉と街を歩いた俺は、そんな気持ちでいっぱいで…
「忍、俺のことで胸いっぱいだろ。」
 なんて言われて・・・
 結構鋭いんだ、二葉も…一樹さんと一緒でさ。
 二葉のは、野生の感…みたいなものだけど…
 繋いだ手を離してしまった俺に含み笑いの二葉が声をかけてくる。
 わかってるくせに…

「愛してるんだ二葉のこと。胸いっぱいになるくらい考えたっていいじゃないか」
 つい、そう怒鳴ってた…
 そんな俺に二葉が驚いてる。
 そうだよね…俺だって…
 素直な気持ちを声に出した自分が信じられないんだから。

「…忍」
 ほんの少し頬を紅くした二葉が目の前にいる…
 こんな木枯らしの中なのに
 俺の周りだけ春のやわらかな日差しに包まれているみたいに暖かい。
 二葉…愛してるんだ…本当だよ。
 君になら…
 俺の心も、俺の命も、全部あげる。
 あらたに芽生えた感情の言葉とともに、今度は心の中で呟いた…


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