呟き…
「健さ−ん…」
あいつは大きく手を振り駆け寄ってくる。
まだ、ほんのネンネなのによ、あいつはしっかり俺の心ん中を支配してんだよな。
「よぉ、シン。」
「待った?」
「い−や、あいにくおまえと違ってな、逢いたくて逢いたくてど−しよ−もね−ガキじゃないんでな。」
「…でも、健さん…」
「あん!?」
足元に落ちてるタバコの吸殻…いくらシンがネンネでもバレバレだよな。まぁ、あいつはそんなことでからかうような奴じゃないけどよ。
「…なんでもない。」
ほらな…でもよ、どっちが甘やかされてるガキなんだか、これじゃわかんないか。
「シン、言いたい事がありゃ、はっきり言ったってい−んだぜ。」
「………」
「びびってね−で、ほら言っちまえよ。」
「おっ、俺…そんなに遅刻したかな…時計がさ…ごっ、ゴメンナサイ!!」
「はぁ〜〜、なんだ、おめ−気づいてね−のか!?」
「…なんのこと?」
「俺の足元…」
「あっ…」
やっぱり、シンのガキ…ネンネ決定だな。
「健さん、何時に来たの?」
「おめ−より、ちょっとだけはやくな…」
「ふ−−−ん」
「なっ、なんだよ。」
「せっかく気づかないふりのまま通そうと思ったのにな。」
「…おまえ!!」
「でも、嬉しかったんだよ。遠くから健さんの姿が見えたときさ、俺、涙でそうになったもん…」
そう言うとシンの奴、俺の首に腕を絡めて自分から顔を寄せてきたんだ。
やっぱ、俺の心ん中、支配されたんだな…ネンネのこいつに…
まっ、いいけどよ!!