忍の最低最悪な一時間
さて、此処は桔梗の家のリビング。
二葉が悠と一緒に来てから、忍は黙って紅茶を飲んでいます。二葉のほうを見ないことから、怒ってるのがはっきりと分かります。
何故忍が怒っているのかというと、原因は二葉にあるようです。
「ね、ねえ忍vせっかくなんだし、遊園地にでも行かない?」
桔梗が声をかけても返ってくるのはつめた〜い一言。
「いくんなら、悠と一緒に行けば?」
(忍が怖い・・・・・・)
そう、桔梗や二葉は知りませんでしたが、忍が本気で怒ると、すっごく怖いんです。
何しろ、整った顔をしているのに、な〜んの表情も浮かばないんです。
つまり、氷のような顔になる、ということです。
忍が気に入らないのは、自分がこんな体になったのをわざわざ悠に見せようと二葉が悠を連れてきたからです。
しかも、悠も勝ち誇ったような顔でこっちを見ています。
それがますます忍の逆鱗に触れているのを、二葉は知りません。
他愛無いことを悠とはなしています。
(二葉の奴、後で覚えてろよ・・・・・・)
桔梗、一樹、卓也の中に共通の思いが浮かびました。
結局、それが一時間続きました。