八紫仙(1)の優雅な一日
儂は八紫仙(1)ぢゃ。
普段は見た目ただののじーちゃんでも、この紫の衣をまとったとたん、守天様もうっとおしくお感じになる八紫仙の長老に早変わりぢゃ!
朝、目がさめるとまず、髭の手入れぢゃ。
この髭がなかなかの曲者での、これだけ長いと絡まったりしておっての〜。
それを時間をかけてゆっくりと絡んでいる毛を外し、綺麗に整えるのぢゃ。
眉も長いのでの、これも一緒に整えるのぢゃ。
外からは見えんといっても気を抜いてはいかんぞ。
生活の乱れはまず、服装の乱れから始まるのでな。
最近の若い者はだんだんと服装が…あぁ、いかんな、歳をとると説教がちになってしもうてのぉ〜。
え〜〜、どこまで話したかな?
ああ、髭と眉を整えるというところまでじゃったか。
身だしなみをきちんとしてから、朝食をとる。
儂は固いものは苦手での。なるべく柔らかいものを頂く。
…肉などここ久しく喰うておらんなぁ…(遠い目)
さて、朝食が終われば天主塔にて仕事を始めるのぢゃが、なんせ、儂は八紫仙の長老(ふぉっふぉっふぉっ)
細々とした仕事は八紫仙(2)〜(8)に任せておる。
守天様に申し上げる事がある時には儂も必ず参るがの。
2列横隊の前列まん中が儂の指定席ぢゃ。
特にそんなこともなければ、儂は別の間に控えておる。
まぁそれは話すと長くなるのでな、やめておこうかの。
なにやらいろいろとしておると、いつのまにやら10時ぢゃ。
10時にはおやつを頂くのぢゃっ!
この時は軽い物での。けーきとかいうものじゃと使い女が申しておったかのぉ。
この時飲むのはお茶ぢゃ。
儂は煎茶がことのほか気に入っておる。
香が良くて、苦味があっての、儂はこれがお好みぢゃ。
しかし、けーきとは合わんのじゃ〜〜(泣)
こーしーとかいう飲み物は苦手での〜。
…なに? けーきをやめればよいとな?
そのけーきもこれまた美味での、やめられんのぢゃ(ふぉっふぉっふぉっ)
午前中は他国からの苦情やらなんやらを聞いて守天様に申し上げるかどうかを決めておる。
これがまたある方の苦情が多くてのう〜。
守天様はなぜあの方とあんなに仲がよろしいのかの、不思議ぢゃ。
ついこの間まではさして交流もなかったというに、
最近、とみに仲ようおなりぢゃ。
はて、二人で部屋に籠られてなにをなさっておいでなのかのぉ?
お部屋から出てこられる守天様はご機嫌なことが多いのぢゃ。
…………守天様のお仕事がはかどるのならばかまわんがの。
さて、そうこうしておるうちに昼ぢゃっ!
昼には柔らかく固くないものを頂く。
固い物はかみ切れんのぢゃ。
…なに? 聞いた? はて、いつ言うたかの。
そうか、言うておったか…(ちょっと寂し気)
……昼が終われば昼寝の時間ぢゃ!
儂の部屋は日当たりが良くての〜〜〜。
眠ろうと思って寝ておるわけではないのじゃが、毎日この時間になると、だんだん…と瞼が重〜〜くなって……くるのぢゃ…………。
………………………………。
………はっ、いかんいかん、寝てしまいそうになった。
さて目がさめる頃には3時ぢゃ。
3時と言えば、おやつの時間ぢゃっ!!!!
3時には小豆を甘く煮たぜんざいを頂くことにしておる(日課ぢゃ!)
ただ、大きめの餅はいかん。かといって小さめの餅もいかん。
大きすぎず、小さすぎずの餅がよろしい。
ゆっくりとぜんざいを頂き、お茶をすすり、庭などを愛でていると、それ、陽も傾き仕事も終わりぢゃ。
儂の夕食は早くての。
ここでも固くない柔らかい物を頂くのぢゃ。
肉はいかん。あれは筋があってかみ切れん。
…ん? これも言うたか?
これ、聞いておっても年寄りの話は黙って聞くものぢゃ!
1日を通して儂は柔らかいものを頂いておる。
時間をかけて夕食を頂き、それが済むと就寝の時間ぢゃ。
紫の衣を脱ぎ、夜着に着替え、床につく。
ナイトキャップは忘れてはいかんぞ、これがないと髪の毛が跳ねてしまうでの。
いかがかの?
これが儂の1日ぢゃ。ぢつに優雅ぢゃ!