投稿(妄想)小説の部屋

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No.172 (2001/01/24 00:13) 投稿者:由佳

moon & cigarette

「あれっ? 慎吾くん、何でここに?」
「!!!!!」
 ここは江端さんと健さんの部屋・・・なのになぜ一樹さんがここに!!
 ・・・と、叫びたかった慎吾だが、一樹の手に口をふさがれる。
「んー何で俺がここにいるかって?そりゃあ、秘密ってことで」
 口元に笑みを浮かべながら、そっと慎吾の無言の問いに答えてやる。「ちょっとだけ黙っておきなね」とウインクして慎吾をはなすと。

 玄関を入って、リビングの手前のドアの前。
 ちょうど窓際の健と江端に気づかれないよう死角になった場所。
(そして気配も気づかれないよう主天様にお願い/笑)
 一樹の影から慎吾がそっと顔を覗かせる。

 窓から差し込むのは月明かりだ。
 健は窓のはしに体を寄りかからせて立っている。
 ぼんやりと煙草をくわえ、窓の外を見ているようだ。
 江端はそのそばの椅子に、やはり煙草片手にすわっていた。
 2人の表情は月明かりのせいで影になり、よくわからない。
 辺りには煙が燻っている。
 無言の空間は冷たくは ない。

「・・・慎吾君、なんだかそそられない?」
「そ・・・そそるって何がですかっ!」
 慎吾の顔はわずかにあかく染まっている。
 ───健さんが・・・綺麗で。
 その前に、慎吾はあの2人がつくる空気が好きだった。
 微妙な空間、ほかの人間はそれを邪魔できない。
 たとえ、その空間が2人にとって何でもない空間でも。

 こういう2人を見るのは嫌いじゃない。
 嫌いじゃ───ないが、健が見せないから。
 だから普段見れないぶん、これは特別で。
 なぜか突然登場の一樹に(笑)ひたすら感謝な慎吾だった。

 そのあと、そっと2人が部屋を出たのは言うまでもない。
(見つからないようにしてくれた(かもしれない)主天様、ありがとう!)
 ・・・・慎吾はあとで一樹に何かねだられたかもしれないが☆


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