投稿(妄想)小説の部屋

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No.165 (2001/01/08 01:10) 投稿者:神田

おとうと

 疲れて寝てしまった慎吾の髪を、いつのまにか梳いている自分に気づき、貴奨は苦笑した。
 いつのまに、こんなに・・・。
 血の繋がらない弟が、こんなにも自分のなかに入り込んでしまうなんて、思ってもみなかった。
 かわいくてしかたがない。
 つい先ほどまで、見ていたビデオのことで意見を交わしていたはずなのに、よほど疲れていたのだろう。
いつも抱き上げるたび胸が疼く。
 寝室のドアをあけ、ゆっくりとベッドへと慎吾をおろす。
 明かりを消す前に、もう一度愛しい’おとうと’の顔をゆっくりとその長い指で辿ると、ため息をひとつつき、貴奨は部屋を出ていった。
 今夜も、長い夜になりそうだった・・・。


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