投稿(妄想)小説の部屋 Vol.3
あのイベント騒ぎが過ぎてから。
今日もティアはアシュレイの家の前に居た。というより仕事帰りにただアシュレイの顔見たさに手土産を持参し通っている。
2人きりのなると好きだと繰り返し言うが当のアシュレイは冗談としか思っていない。
無理も無いというべきだろう何せティアはあの兄の弟。仕事が出来なくなったこと桂花の件を忘れていないから何かあると身構えている。
しかしこうも毎日顔を合わせればしだいに情がわいていくもの。
今ではお友達感覚でいるのだからティアの努力も少しは報われているというべきなのだろう。
アー (ほんとよく毎日来るよなぁ。。暇なんだな。きっと。)
よく考えてみれば今は夕方。人のうちを訪ねるには向いてない時間なのだが、ほとんど日常化してきたのでもう疑問にも思わない。
そして顔を見ない日は寂しくなるのだがまだ本人は気がつかない。
ティア (今日も可愛い☆)アシュレイの顔をみれて嬉しいティアはニコニコニコニコにやけ顔だ。
それでも少しでも進展が欲しいティアはかねてからの計画を実行に移すべく提案を持ちかける。
ティア 『今週末に皆さんと一緒に出かけませんか?』私が車で迎えにきますから柢王ご夫妻と一緒に4人で。
アー 『みんなも一緒か?ならいいぞ♪』大勢で出かけるのも久しぶりで嬉しいかも。
もちろんアシュレイには通じていないがデートのお誘いなのだ。そして週末。柢王夫妻の協力のもと水族館でWデートとなったのである。。
水族館の目玉、白イルカの前では大勢の人。
アー 『かっ、かわいい!!』(でっけーー!目つぶら〜!!マジ可愛い〜!!持って帰りてぇ〜!)
ティア 『ええ、可愛いですねぇ。。』(君が!!)喜んでいるアシュレイだけしか見えていない。
柢王 『お。おもしれー、こうすると一緒に動く!』おかしなポーズでイルカを呼んでいる。
アー 『え?』どれどれ? 真似してイルカを呼ぼうとする。なんとも間抜けなのだが本人達は気にしない。
桂花 『ちょっ!?2人とも何しているんですかっ!』お子様ですか?さすがに親戚同士、同じ事をするのか!
しまいにはタオルを持って水槽の前を走りまわるのではまるで小学生。。大人がそんなことをすれば目立つのは当然のこと。
あきれた桂花は離れて他人のふりをしているがティアはやっぱりアシュレイしか見ていないのであった。。
たとえ4人でいても今日は初デート。それだけで満足するティアはなんとも健気とも言うべきであろう。
そして普通にお出かけを楽しんでお土産を買って帰宅する。
アー 『ただいまー。』今日も楽しかった♪
グラ 『お帰り、もう夕飯ができてるわよ、みんな席につきなさい』全員揃ったからちょうどいいし。
みんな席について夕飯を食べ始めるがアシュレイがデートに出かけていた事を知っている家族は気になっていた事を聞いてみる。
カルミア 『今日はどうだったの?』(塾がなければ僕も行きたかったけど。)
アー 『お?楽しかったぞ。ごめんな俺だけで行ってきて。。』(何故か4人だけでだと言われたしな。。)
炎王 『。。アシュレイ。。怒らないから素直に言いなさい』真面目な顔をした父親はかわいい娘の状況が気になってしかたがない。
アー 『ー?なに?』(怒るってなんだろう?お土産、親父にもちゃんと買っておいたんだけどな。。)
炎王 『。。お前達どこまでいっているんだ?』(一応お年頃だし。。)茶碗を持つ手が震えている。
グラ 『・・今、聞くことじゃないのじゃないかしら?後にしたらどうですか?』そういいつつ耳のみがアシュレイに集中する。
アー 『え?今日のこと?(地図を見ないと分からないけど)AコースとBコースと。。あ。Dコースも行って来たな♪』
炎王・グラ 『。。。。A(コース)とB(コース)と。。とんでD(コース)!!!』ーー(はぁぁぁい???一体いつのまに!?)
シャーウッド『Dコースも行って来たの?いいなぁ。。』(水族館全部見てきたの?。。うらやましいなぁ。)
炎王 『・・そそそそ そうなのか。。』カタカタお茶碗とお箸がぶつかりあって音を立てている。
グラ 『・・そそそそ そうなのね。。』カタカタ。。以下同文
カルミア 『そうなんだ。また行くの?』(今度は連れて行って欲しいし)
アー 『おう♪また行くつもりだぜ。』(今度は家族みんなでな♪)
炎王・グラ ー(また行く(の)!(いったいどちらまでーーー!?))もうご飯どころではない。
子供達は健全な会話をしているのだが、大人達の頭は別コースの言葉に変換中。何と聞いても大人のコースなのである。
アー 『ほい、2人とも。お土産だよってあれ?間違えてあいつの袋まで持ってきてた。。』
(中身、仕事用の書類っぽいなぁ。。ま、明日も来るだろうからその時返せばいいか。)
炎王 『かかかか母さんや。。あああ相手はどんなかね?』動揺してはっきり言葉がでない。
グラ 『えええええ。。好青年かと。。おおお。思いますわ。。。多分。。。。』以下同文。
アー 『え?ティア?良い奴っぽいよ?』うん。約束はきっちり守るしな。兄貴と違って。←(意外と努力の効果があったらしい。)
普段は鈍いのに何故そこだけ鋭いのか?アシュレイが嬉しそうに言うから親はもう何もいえなくなるのである。。
カルミア (なんだかみんなかみ合わない会話していたような気がするけれど。。)ま、いいか。自分には関係ないみたいだし。
こうしてこの日の夕食は終わるのである。
さて、部屋に戻るもティアの荷物が気になって仕方ないアシュレイは、あまり遅くない時間だからとティアのマンション下に居た。
そのまま訪ねても居ない事は考えもしていなかったが居なければ帰ればいい事だし、大事な書類だったら困るだろうと思うから。
セキュリティ付きのマンションではそのままでは玄関まで行かれないと、携帯でティアの携帯にかければ電波が悪いのか通じない。
仕方がないので自宅の電話にかてみる。
アー 『遅い時間に悪い、書類持って行っちゃったんだ。。返しに来たんだけど?』家まで通してくれないか?。
(いいよ?鍵を開けておくから部屋まで入っておいで?)。。なんかいつもと声が違うような?電波が悪いとそうなるのかな?
ティアの部屋に行き『おじゃましまーす』入っていいと言われていてもなんだか落ち着かないからそろーりそろーり奥まで行くのだが
なかで何やら言い争う声がするからピタリと足が止まる。。
ティア 『いい加減 私のことは諦めてくれませんか?』
ネフィ 『そうは言ってもねぇ。。頑張っているみたいだけど全然効果が無いみたいじゃない?』クスクス。
アー ー(ゲッ、、あの兄貴が来てんのか?書類置いてさっさと帰ろ・後で電話して謝ればいいや。。。)
ティア 『そうは言ってもそれ程時間がたっていませんし私はあの娘(こ)を諦めるつもりはありませんよ!?』(冗談じゃない!)
ネフィ 『お前がそう言ってもねぇ。。あの小猿はお前を好いていないだろう?』(なるはずがないものねぇ。。)
ティア 『まだわかりません!絶対手に入れて見せます!』(もうあの娘以外など考えられるものか!)
ネフィ 『本当にわからない子だねぇ?お前にふさわしいご令嬢は山程いるんだよ?』
(さっきの電話はあの子猿。。。クスクス。。近くにいるはずだし。。そろそろ決めようか?)
ティア 『あなたのゲームには付き合いきれませんが!?』
ネフィ 『ふーん?まぁ、本当に手に入れられたら認めてあげてもいいけどねぇ。。』クスクス。。
ティア 『私はアシュレイと幸せになりますよ!絶対に!貴方から自由になって!』
ネフィ 『でも小猿はお前を信用していないだろう?当たり前だよねぇ。。お前はその自由を手に入れる為だけにあの娘が欲しい。
自分に気を向かせる為に仕事の妨害をしているものねぇ?』クスクスクス。
さあ、近くで聞いてるなら思いっきり誤解すればいい。それでもお前達はまとまるのかねぇ?
アー ー(なっ!!やっぱりこいつらのせいか!!俺が再就職できない訳は!?間抜けもいいとこじゃねぇかよ?
おれはこいつら兄弟のゲームのコマだったのか!?)
なんだかばかばかしくなって来た。。いいようにされてたのか。。もういい。。二度こいつらには会いたくねぇ!!
だけど何故こんなに悔しい?苦しい?なんとなく分かっていた事なのに!
いい加減いやになってきたアシュレイは廊下に書類を置いたまま出て行こうとする。
しかしネフィがちょうど帰ろうとこっちに向かってくるから慌てて近くの部屋に入って隠れるのだが。
ティア 『ーーどういう事なんです!?、』(私は知らない!アシュレイは何も言っていなかった!!)
ずっと私の仕業だと誤解されたままだったとは?だからなかなか気を許してくれなかったのか!!
ネフィ 『そのままの意味だよ?お前が私をそうさせたのだからねぇ』クスクス。。
−−さて帰ろうか。私が邪魔をするのはここまで。これから先お前達がどうなろうと構わない。女神はどちらに微笑むのかねぇ?
ティア 『2度とここには来ないで下さい!?』冗談じゃない!!アシュレイに謝らなくては!!
携帯電話を持ってアシュレイにかけようとするが着信があることに気がつき名前を確認をする。アシュレイ?今さっきだ!
そしてそのままネフィを追い出した玄関に女物の靴があることに気がつく。
ティア −−まさか?ここに居る?全部聞いていたのか?
『・・アシュレイ?いるの?』そして書類。。間違えてアシュレイが持って行ってしまったもの。。
後で返してもらいに行こうと思っていたらここにある!なら絶対この家にいる!!探してまわるが見つからない。。
ティア −−嫌だ!私はアシュレイ君がいい!君を失いたくなどないんだよ!!
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