投稿(妄想)小説の部屋 Vol.3
柢王から桂花の様子を聞いた翌日。
アシュレはいてもたってもいられず某デパートに足を運んでみるのだが、接客中の桂花の少し離れたところにどうも不似合いな女性がいる。
とりあえずお客のふりをして桂花に近づき声をかけてみる。。。
アー 『すみません。これを探しているのですが。。』−−今どんな様子なんだ?SPらしき人に背を向けこそっと聞いてみる。
桂花 『はい。それはこちらになりますね。。。』それらしいところに案内しながら
−−何故ここに?。ああ、柢王にでも聞きましたか?近いうちにある会社とうちのデパートのイベントがあるとかで
それに関連しているみたいなのですが。まだ未発表のことですから外部に漏らすわけにいけないからと
誰とも連絡できなくされてしまいまして。。。
アー −−そうか。相手はどこかわかるか?
桂花 −−たしか大阪に本社をおいてる某会社と言っていましたね。
アー 『なっ!!』
忘れるわけが無い!自分が会社を辞めるしかなかったあいつがいる名前!!俺一人ではすまないのか!?なんで桂花まで!!
アー −−そうか!ちょっとまってろよ!俺がなんとかするから!
引き止めようも止めるまもなく行ってしまったアシュレイを呆然と桂花は見送るのだった。。
それから数時間後。大阪の本社にいたネフィ。自分にアポなし来訪者がいることを知らされるが出された名前があの人物で。
ネフィ 『いいよ。ここに連れてきて?』ーよくここがわかったね。。さてこれからどうしようか?ーークスクス。。
そろそろ次の手をうとうと考えていたネフィは彼女がどんな行動にでるか見てみたくてたまならい。
山凍 『あまり人で遊ばれるのは良くないですよ?もう少し穏やかに事を運びませんか?』
ネフィ 『そうは言ってもねぇ。私は何もしていないじゃない?』お願いはしているけれどねぇ?ークスクス。
昔から自由にわがままを言う人ではあったが、最初からこうでは無かった。
早いうちに夫を亡くし、女手ひとつで息子2人を育てた母親はあまりにも頼り無いために長男のネフィがすべてを引き継ぐしかなかった。
年頃の弟にはろくでもない親戚どもがあの手この手で自分側に引きずり込もうとする。それから守るために片っ端から排除してきたら
逆に今度は弟に嫌われ出て行かれる始末。別に嫌われてもかまわないがこのままでは一族からはじき出されてしまうだろう。
それでは何の為にここまで守ってきたのか。いずれはこれらをあの弟に渡すためだったのに。。
それが出来ないならいっそこの弟で遊ぼうか?それともちゃんとまとめて無理やり継がせてみせようか?
それには良い(使える)お嫁さんが必要だけれどね。ーーティア?それが嫌なら徹底的にこの兄をたたき潰して出てお行き?
優しいお前にそれができるならね。クスクス。。
バンッ!荒々しく社長室の扉が開かれる。その場にいるのは先日の小猿の姿。
アー 『てめえ!桂花になにしやがる!?』
ネフィ 『いらっしゃい。よくここまでこれたねぇ?(呼んでもいないけど。)というより随分と乱暴だけど?』クスクス。。
アー 『復讐なら俺一人でいいだろう!なんで桂花を巻き込むんだよ!?』(やっていい事の区別が出来ないのか!?)
ネフィ 『復讐?なんの事かな?彼女のことなら知らないよ?某デパートが決めたことだからねぇ。。』クスクスクス。
アー 『ふざけんな!お前じゃなきゃ誰があそこまでできるんだよ!』
(柢王と桂花が会えないどころか連絡も取れないなんていくらなんでもやり過ぎじゃねぇ!?)
ネフィ 『うーん?そうはいってもねぇ?今度のイベントには彼女はうって付けの存在だしねぇ?』(ついでにあの弟の花嫁にも。)
アー 『だったら仕事だけにしとけば良いじゃねぇかよ!』
ネフィ 『それなら。。そうだねぇ。仕事の方は終わるまでは無理だけど君が彼女に会うくらいなら構わないよ?』
ー(ここまでたどりついたその根性に免じてね。)
アー 『俺だけか?』
ネフィ 『そう。君だけが。ただし条件がある。こちらも今度の事業は成功させたいからねぇ?情報漏えいは困るんだよ?
君にもSPを付けさせてもらって逐一かれらに報告してもらう。別に行動の自由までは制限はしない。
ただし期間中、君の動きがおかしい時はこの条件は即中止。それとそうだねぇ。君が彼と連絡をとるのは構わないけど
イベントが終わるまでは彼女を逃がすこと、そして何より私の存在を誰にも言ってはいけない。どう?』
(そんなに悪い条件ではないでしょう?)クスクスクス。。
アー 『。。仕事が終わったらどうなんだよ?』(なんか裏がありそうだしな。。)
ネフィ 『すべて終わったら君達は自由だね。。』(ただし彼女はこちらに来るだろうけど?)
アー 『本当だな?』(信用できねぇ気がするんだけど。。)
ネフィ 『信じるもしないも君の自由。』(さぁどうするの?)なんだか面白くてたまらない。
アー 『分かった。。連絡を取ることくらいはいいんだよな?』
ネフィ 『君とならね?直接は駄目。何かあれば彼と君を疑うよ?』クスクス。。
あんた最悪だよ。この部屋から出て行くときに最後に言った言葉。そして願うように言われたこと。。
もう他の人にこんなことをしないでくれ。いつまでもこんなことをしていたらいつかあんたのそばには誰もいなくなるぜ?
ーー余計なお世話。随分と真っ直ぐに人の目を見る小猿だねぇ。。クスクス。。
山凍 『あれで良かったのですか?珍しく温情を出されましたね?』
ネフィ 『たまにはいいんじゃない?ゲームには障害がつきものでしょう?』クスクス。。
(父が亡くなったとき、あれだけ真っ直ぐな存在が側にいたら私はこんな風にはならなかったかも知れないけれど。
それではここまで生きてはこれなかったでしょうしねぇ。。いつまで馬鹿正直でいられるのか見ものだねぇ?)
『それにこのゲームにはあの弟の人生がかかってるしぃ?』(出来るだけの手はそう打ったし。。)クスクス。。
山凍 (勝手に決めてもまた逃げられるだけだと思いますが。。)
『それではこれからのスケジュールですがーー』
そうして運命のルーレットは廻り始めるのである。。
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