投稿(妄想)小説の部屋 Vol.3
ガラガラガラ!ガッシャン!玄関の戸を荒々しく閉める音。
ドタドタドタ。。。バタン!。。
こんな時間に誰が帰ってきたの?子供達はまだ学校だしお父さんもアシュレイも仕事に行っているはず。
玄関に行くと放り出されたアシュレイの鞄と靴。アシュレイが帰ってきたのね。。ふぅ。いやに早い帰りだこと。。
アシュレイの部屋からまたも騒がしい音がする。。物を投げつける音、一体何があったの?
ガッシャーーーン!!!窓ガラスまで割る程だなんて!
いくら強気でお転婆娘のアシュレイでも普段から物に当たる事をする訳ではないのに。
アー 『ちくしょうっ。ちくしょうっ。ちくしょうーーーー!!!』肩で息をしつつそれでも怒りはおさまらない。
どうしてこんな目にあわなきゃなんねえんだよ!そんな悪い事してなんかねぇって!?
グラインダーズ『一体どうしたの?。。シュレイ?ここを開けなさい!!』なにかで襖を開けられないようにしているみたい。
とたんピタリと止む音。。。あまりに静かになりすぎて逆に不安になる。
アー 『なんでもねぇよ。。少しほっといてくれ。。』ふるえる涙声、まだ落ちつかねえ。。
本当に何があったのだろうか?みんなが帰ってくるころには浮上していればいいのだけれど。。。
事の起こりは数日前に遡る.
アシュレイが痴漢を追いかけ階段から足を踏み外し数段下のティアを巻き込み下敷きにしてしまったあの日にはまだ続きがある。
怪我の無い様に受け止めてくれたのにまったく無関係の男性(ティア)を痴漢呼ばわりし更に拳骨でとどめをさしてしまった事件ー。
なんとか謝りたくて警察に相手の身元を聞き搬送先の病院に桂花と一緒に行って見れば、
やはり頭を打っているから念のため入院して安静にしなくてはならなくて謝る事はおろか顔を見ることも出来なかった。
ネフィ 『ふーん?君があれを痴漢呼ばわりしてくれたの?』ジロジロジロ。。なんて生意気な女。。
こんな小猿をかばって自分は犯人呼ばわりされるなんて?恥さらしもいいとこだねぇ。。クスクス。。
アー 『なっ!初対面の人間に失礼じゃねぇ?』一体だれだこいつ!?ここで笑うか?言葉より態度が気に入らない。
その後駆けつけた警察によって容疑者は捕まっているから誤解は解けているはず。それが分かってはいても一族の恥は恥。
第一印象最悪状態。これから喧嘩が始まるような険悪ムードの怪しい雰囲気の中。
桂花 『申し訳ありませんが?』お互い落ち着きませんか?
一緒について来た桂花。あまりにもアシュレイの様子がおかしくて心配して付いて来てみれば相手はなんて礼儀知らず。
といっても怪我をさせたのはこちら側だから強く出ることは出来ないけれど。
某デパートで働く桂花は様々なタイプのお客様に気持ちよくご来店いただく為、またリピーターを作る為それなりの努力をしている。
そしてタイプ別に対処方法を変えるのだが今回のこの人物像はどうにも掴めない人柄だった。。というより直感的には近寄りたくない。
だがそうはいってはいられない。アシュレイがどうしても謝りたいというから少しは助けになるかと思えばあの人の家族がこれ?
一方ネフィ。初めてその存在に気がついたように桂花を見るが、遠くから見るより近くで見るほうがやはり美貌が際立って見える。
意外とお互い負けてはいない。。(うーん。。気に入ったかも。。この娘ならあれも気に入るかもねぇ♪)
ネフィ 『君は関係ないんじゃないの?それとも何?この子(小猿)のお姉さん?だとしたら全然似ていないねぇ。。』
片や小猿、片や君で。。ホントに面白いったら。。
『なら、君がこの子の代わりをしてくれる?』ふふ。。。お人形さんにしてもいいくらい目の保養になるし♪
桂花 『〜っ!!』ゾワゾワゾワ。。。やっぱり自分の観察眼は外れていない。危険!さっさと終わらせてここから離れないと!
アー 『桂花は関係ないっ!』ふざけんなっ!こいつは柢王の恋人なんだから何かあってたまるかっ!
ネフィ 『もういいよ?あれが目を覚ましたら馬鹿女が謝りに来ていたといっておくから。』いい加減飽きてきたしねぇ。
でもそれなりのお礼はさせてもらうけど?クスクスクス。。小猿にはそれなりの。隣のきれいな娘にはそうだねぇ。。
あの件に使えたらいいのだけれど。。
アー 『!!』馬鹿女?こんなのがあいつの家族?世の中広しと言えどここまで言うとはなんて奴!
アー 『分かった!もういい!!もう知ったこっちゃねぇ!桂花帰るぞ!』桂花の手を引き病院を後にするのだが。。
新規事業提携で某デパートとの打ち合わせで久しぶりに上京してみれば弟が怪我をして入院したとの知らせが入った。
何をやってるんだか。あの弟は?よくよく聞いてみるととある事件に巻き込まれて怪我をしたとのこと。。
馬鹿馬鹿しい。愚弟とは言え一族の一員には変わりがなく、誤解と分かってはいても面白い訳が無い。。
痴漢呼ばわりしたその馬鹿女の身元を調べるよう命じた時、ちょうどその本人が現れたのである。。
そして本人が置いて行った身元証明をするものの控え。これで子猿本人に手を打てるし、
どうやらあの綺麗な娘は知り合いのようだからそこから割り出せばどうにかなるだろう。。独身なら言うことないよねぇ。。
クスクスクス。。今度こそあの弟をまとめて見せようか?で、後を継がせて私は楽隠居♪いい加減自由が欲しいものねぇ。。
(。。。なんか嫌な予感もするけれど?。。)さぁ、楽しいゲームの始まりだよ?
それから数日後、イベントモデルの話を力任せに桂花に持っていき、どうやら恋人がいるらしいと判明した時
SPを付けて桂花の監視をはじめたのである。。
ネフィ (せっかく見つけたお人形さんだしねぇ。。逃がさないよ?)クスクス。。
そして桂花の身辺に異変が起きた頃。アシュレイは会社に出勤と同時に上司に呼ばれ、別室で面談を受けていた。。
アー (今日の仕事はあの取材に行く準備をしてと。。。ん?呼び出し?なんだ?)
文殊先生 『アシュレイ君?。。君。。。いや。多分何も分かっていないだろうけど。。相手が悪かったといか言いようがないな。』
アー 『何がですか?』(。。。いやな感じだなぁ。。そりゃ、よく失敗はするぜ?短気だし怒りっぽいし。。)
文殊先生 『言いにくいことなんだが。。今日限り君は会社に来なくていいよ』
アー 『は?何故ですか!何かしたってなら理由もちゃんと言って下さい!納得できない事なら絶対嫌ですよ!?』
文殊先生 『君はただ巻き込まれただけなのは分かってはいるんだけどね。。』
アー 『だから何だってんだよっ!』言葉使いに地が出てくる。。
こんな時でもアシュレイはアシュレイ。ここぞとばかりネクタイを引っ張る。おいおいおいそれでは上司の首を絞めるんじゃないのか?
文殊先生 『っだっからっ。。ゴホッゴホ。。お前は私を殺す気か〜!』
事の真相は。。そうあの人。ネフィがアシュレイの会社に圧力をかけ、アシュレイを首にすれば良し、
出来なければ今後の取材をすべて出来なくするという。。小さな出版社。多方面に渡る仕事があるのにそれでは死活問題。
相手があれほどの相手では無ければいくらなんでもここまではしない。。すまないが諦めてくれ。。
そう言われてしまえば何も言えなくて。。ただ、ただ、会社を辞めるしかなかったのだ。。
そして冒頭に戻る。。。
時間がたって気持ちが落ち着いたアシュレイは明日から何をしようかと考えていた。。
アー (ん?部屋の中が暗い。。もう夕方。いや夜になってるのか。。随分散らかしちゃった。。片付けようか。。
あ〜あ。。せっかく今の仕事に慣れてこれから先頑張っていこうと思っていたのになぁ。。)しょんぼり。。
というより明日から何かと思うこと自体前向きな姿勢でいるアシュレイの良いところなのだが部屋の外から聞きなれた声がする。。
どうやら家族が心配してくれたらしい。ん?柢王の声もする?何でだ?
不思議に思って襖を開けると一家全員勢ぞろい。。あわてて用事がある振りをして各々の部屋に戻っていく。。
アー 『あははは。みんな心配してくれたのか。。というか柢王。なんでいるんだ?』
柢王 『あんまり心配かけんなよ?たまたまここに来たんだけどな。。お前の様子がおかしいからってひきとめられたんだって。』
アー 『そうか?悪かったな。。で?たまたま来た用事は終わったのか?』
柢王 『いや。。まだだけど。お前に頼みごとがあってさ。。また今度でもいいぞ?』
アー 『お?いいぜ?何があるんだ?珍しいじゃんか。。』
柢王 『〜実はな。。』
そして桂花もまた巻き込まれていたことを知るのだった。。
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